ウェルネスが社会にもたらす価値とは?

【オフィシャルサポーター「株式会社ベルシステム24」様インタビュー】

第1事業本部副事業本部長の稲垣様

ウェルネスの空では、“豊かな人生や輝く人生を実現すること”をゴールに掲げ、健康経営に役立つ情報を発信しています。本サイトのオフィシャルサポーターである株式会社ベルシステム24は、コールセンター事業を基盤に培ってきたノウハウを活かし、近年はウェルネス事業に注力しています。今回は第1事業本部副事業本部長の稲垣様に、ウェルネスに取り組む目的やその意義をお聞きしました。

医薬関連事業の延長線上から生まれた“健康=ウェルネス”事業

ベルシステム24の事業とウェルネスに取り組み始めた背景をお聞かせください。

ベルシステム24(以降「弊社」)は、北海道から沖縄まで全国に39拠点を構え、コールセンター業務をメインとしたBPO事業全般に携わっており、サービス業、運輸・通信業、卸売・小売業、金融・保険業、医薬品などの製造業など、1,200社以上の多種多様な企業様と取引をいただいております。

医薬事業は、1986年に治験の症例登録センターを開設したのが始まりです。その後2000年に製薬企業向けドラッグインフォメーションサービスを開始するなど業容を拡大、2012年に分社化しましたが、医薬事業とベルシステム24が持っているCRM事業の連携によるさらなる発展を狙い、2019年に再統合を行いました。ウェルネス事業が生まれたのはその時のことです。

第1事業本部副事業本部長の稲垣様

医薬品事業は弊社の事業の中でも特殊で、スタッフも看護師や薬剤師、管理栄養士などの有資格者が多く、専門領域に特化していました。専門的なノウハウを持つ医薬品事業と、弊社のメインであるコールセンター業務をメインとしたBPO事業をかけ合わせて、シナジーを生み出せないかと考えました。医薬品事業の知見を活用でき、弊社のクライアントに共通するテーマとしてあがったのが、“健康”というテーマです。これまでは製薬企業、つまりメディカルが中心でしたが、ヘルスケア、ウェルネスへと可能性の広がりを感じました。

ご承知の通り医療費も含めた社会保障給付費は130兆円を超え、持続可能性が懸念されており、国は公的医療・介護保険外の予防・健康管理の重要性を指摘しています。経産省によれば公的保険外サービス、いわゆるヘルスケア事業の市場規模は2025年には33兆円になるとの推計が出されおり、実際、様々な企業が健康に関するサービス開発の取組みを進めています。
そこで弊社は、“健康=ウェルネス”と定義し、ウェルネス事業への取り組みを始めました。病気の予防だけ、治療だけといった特定分野ではなく、健康全般に幅広く貢献し、様々な業種・業態とつながるサービスとして、ウェルネスを一つの軸に据えて取り組んでいこうと考えました。

※1:令和4年予算ベースの社会保障給付費は約131.1兆円。内、医療・福祉に関わる社会保障給付費は72.3兆円。
(厚生労働省:令和4年度予算国の一般歳出における社会保障関係費より
※2:日本におけるヘルスケア事業は2020年で27.6兆円に上っており、2025年には33兆円まで拡大すると予想されている。
(経済産業省:第3回新事業創出WG事務局説明資料より

共通する課題は“取り組むべきだと分かっていても、何からどう取り組めばいいのか分からない”

昨今、多くの企業が健康経営に取り組んでいます。ベルシステム24様には、どのような課題を持った企業が相談にこられるのでしょうか。

私は仕事上、企業のトップや役員の方とお話をする機会が多いのですが、健康経営に関することがよく話題にのぼりますね。お客様のお話を聞いていても、食塩の含有量に気を使った食品の開発、管理栄養士が監修した配食サービス、健康維持の取組みにより保険料が割引になる保険商品の提供など、より健康を意識した商品の人気が高まっているようです。
また、自社に向けた健康経営の相談で多いのが、従業員の健康管理です。これも近年、従業員の健康が生産性に影響するなど、様々な方面で大きく取り上げられていますよね。さらによくあるのは、社会全体を意識して健康経営に取り組みたいといった相談です。社会的責任を果たす一環として健康経営に取り組むことは、企業の姿勢にも影響します。健康経営優良法人認定制度が創設されたことからも、健康に関する社会的関心が高まっていることは明らかです。
このように、弊社への問い合わせ内容は多岐にわたるのですが、どの相談にも共通した課題は「健康経営に取り組みたいけれど、何からどう始めたらいいのかが分からない」ということです。健康経営に取り組まなければいけないことは理解しているが、健康に関する知識を持った人材や、投入できる人材の余裕がないといったお悩みが非常に多いのです。
弊社は元々医療や健康に関するアセットを持っていましたので、私たちがそのお手伝いができると考えました。例えば、健康経営優良法人の取得に向けた取り組みに関するコンサルティングを、弊社のサービスとして提供できます。また、健康経営優良法人の取得に必要な取り組み自体も、弊社のサービスにラインナップして提供することも可能だと考えました。

健康優良法人認定に向けた取り組みを大きな強みに

ウェルネス事業を始めてから、御社が実施したウェルネスに関する取り組みはありますか。

弊社がウェルネスを掲げ始めたのは2021年からですが、当時は健康経営優良法人を取得していなかったのです。そこで、まず弊社が健康経営優良法人を取得するべきだと考え、この1年は健康経営優良法人を取得するための取り組みに注力しました。
ゴールは健康経営優良法人の上位法人であるホワイト500の取得ですが、そちらは実績が必要ということで、まずは健康経営優良法人から目指すことになりました。取り組みが実り、健康経営優良法人2023を無事に取得できる見込みです。
(※インタビュー後、2023年3月8日に健康経営優良法人2023を取得しました。)

健康経営優良法人取得においては、人事とのコミュニケーションを始め社内調整が非常に大変でした。健康保険組合との兼ね合はもちろん、従業員へ取り組みを展開するやり方などで、様々な規定があるのです。本部のメンバーも、通常業務をしながら人事と連携する必要があり、連携が大変でした。

また、喫煙所の対策でも苦労しましたね。コールセンター事業は、他の事業よりも喫煙率が高い傾向にあります。一方、健康経営優良法人の取得のためには、全面禁煙または喫煙室を設置しそれ以外の場所は禁煙にしなければならないという条件があります。たばこの煙の流出防止が不十分など不十分な拠点では、取得条件を満たすためたばこの煙の流出を防止するための技術的基準を満たす喫煙専用室や、指定たばこ専用喫煙室を設置するなど、一つ一つの拠点の状況を確認し、対策を講じました。
こうした取り組みの経験が、ウェルネス事業の展開に活かすことができたのだと思います。実際に健康経営優良法人を取得するための経験を通して、どんな取り組みが必要なのかがリアルに分かり、その経験を基に一つ一つのサービスを作ることができました。お客様のお話に心から共感でき、お客様の課題に寄り添ったサービスの提案もできます。この強みは大きいですね。

“健康プロセスのフェーズ”と“顧客の業界”がサービスの重要な軸になる

それでは、そんな御社の強みを活かしたサービスを、具体的に教えていただけますでしょうか。

実態としては、まだ開発中のサービスが殆どです。私たちがウェルネス事業のサービスを開発する際に大切にしている基本コンセプトに、ペイシェントジャーニーという概念があります。一般的には、顧客が商品を認知してから購入するまでを示したカスタマージャーニーが知られていますが、“顧客”を“患者”に置き換えた考え方です。ペイシェントジャーニーでは、生活者や患者さんが「健康維持・増進」「病気の予知・予防」「病気の診断・治療」「完治後の再発予防・リハビリ・介護」といった流れで、フェーズが移り変わります。ペイシェントジャーニーのフェーズとお客様の事業がかけ合わさるところで、弊社のサービスを展開するという考え方です。

ペイシェントジャーニーのフェーズを現した図

たとえば、「健康維持・増進」と「フィットネスクラブ」をクロスさせた事例を紹介します。フィットネスクラブでは体を鍛えるために運動サービスを提供していますが、食の健康までは網羅できていないことが多いのです。体づくりのために運動は大切ですが、筋肉をつけるためにいい食生活とは何なのかといった問い合わせニーズは多く、そこに弊社の管理栄養士が入り、フィットネスクラブのサービスの一つとして提供しています。

▶株式会社ベルシステム24が提供する「オンライン食事・栄養指導ソリューション」はこちら

また、建設業や住宅関連事業と介護の領域を重ねると、見守りサービスがあげられます。IoTの活用など見守りサービス自体はテクノロジー化が進んでいますが、緊急で通報を受けるといった際には人の力が必要で、その裏のBPO業務を弊社が行うことが可能です。ペイシェントジャーニーの各フェーズとクライアントの事業がぶつかる領域に、有資格者を中心とした弊社のアセットを活用して、サービスを展開していこうと考えています。

▶株式会社ベルシステム24が提供する「mimamoLL(見守る)ソリューション」はこちら

ですが、簡単なことではないですね。昨年は60以上ものサービスを検討しましたが、その中で形となったのは1~2割です。新サービスの開発と同時に、各サービスに対し徹底的にPOCを繰り返し磨いていきたいと考えています。
今年3月、弊社は健康診断における法人向けソリューション事業や健康管理クラウド(SaaS)事業を展開するウェルネス・コミュニケーションズ株式会社と資本業務提携を行いました。出資により、弊社がコンタクトセンターで培ったノウハウを活かし、AIや音声認識などのDXソリューションや、予約受付、請求業務を含む事務手続きなどのBPOサービスを提供することで、医療機関の幅広い業務に関わる各種プロセスの業務効率化や業務工数の削減を実現といった、医療機関向けDX・BPO事業の開発・展開を図っていきます。また、健康経営に資するデータを活用した新たなウェルネスビジネス創出の取組みを進めていきたいと考えています。
また、デジタルツールを活用した特定保健指導・食生活改善、ストレスチェックツールを活用した保健師によるメンタルヘルスサポート、認知機能チェックツールを活用した健康相談や受診勧奨などの健康経営支援サービスをアライアンスパートナーと提携して開発を進め、企業様の健康経営に貢献していきたいと考えています。

「すべての方に健康を!」~ウェルネスという付加価値~

第1事業本部副事業本部長の稲垣様

御社がゴールとして掲げている「ウェルネスという付加価値」とは、どういったものでしょうか。

一言で表せば、「すべての方に健康を!」ということでしょうか。少しおおげさかもしれませんが、弊社のサービスを通して、すべての方に健康を与えたいという使命感を持っています。

実は、弊社のコールセンターでは、年間に5億人もの方と会話をしているのです。それだけの方と話していると、コミュニケーションのノウハウもたまりますし、世の中が求めているものも自然と見えてきます。そして、それだけの方とお話しできるきっかけを持っている弊社は、大げさかもしれませんが社会に影響を与えられる立場にいるのではないかと感じています。“健康”というキーワードは全ての業種・業態を問わない共通のキーワードです。だからこそ、このウェルネス事業を通じて、様々なサービスにウェルネスの概念や考え方を組み込むことによって、社会全体を盛り上げていきたい、すべての方が健康な世界を作り上げていきたいと願っています。

まとめ

稲垣様、貴重なお話をありがとうございました。
株式会社ベルシステム24では、記事の中で紹介されたサービスのほかにも、ヘルスケア・ウェルネスに関わるさまざまなサービスを展開しています。ウェルネスの空を通じた情報発信、セミナーの開催など、ウェルネスを広める活動にも積極的です。本記事をきっかけに、健康経営への取り組みをさらに深く知ってみてはいかがでしょうか。

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