ウェルネスにおけるサプリメントを解説 従業員の健康維持促進のための活用法とは?

最近では、従業員が健康で生き生きと働けるよう、企業がウェルネスを意識したライフスタイルを築く取り組みが注目されています。従業員が自身の健康を維持増進できれば、社会的にも肉体的、精神的にも充実した状態を保てます。サプリメントの活用は、従業員が不足しがちな栄養素を補ったり栄養の偏りを改善したりでき、ウェルネス実現の一助となるでしょう。企業がサプリメントを上手に活用することでウェルネスが実現できれば、良好な職場環境の構築や従業員の生産性向上にもつながりやすくなります。ここでは、サプリメントを取り入れるメリットや、実際に摂取する際に従業員が注意すべき点などを解説します。

ウェルネスにおけるサプリメントを解説 健康維持促進のための活用法とは?

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ウェルネスとは

「ウェルネス」とは「より良く生きること」を意味する言葉です。1961年にこの言葉を提唱した米国のハルバート・ダン博士は、「心身ともに健康で生き生きと輝くような状態」と定義しています。

健康を意味する「ヘルス」が病気や怪我がないといった肉体的・精神的な健康状態を表すのに対して、ウェルネスは健康に向けてより良い状態を目指して行動することとも言えます。

ウェルネスを測る指標は肉体的な健康以外に、感情をコントロールできているかといった感情のウェルネス、働く上で満足を感じているかといった職業上のウェルネス、コミュニティの中で良好な人間関係を築けているかといった社会的なウェルネスなど多岐に渡ります。

ウェルネスを意識して健康管理に努めることで病気や体調不良を未然に防げ、より充実したライフスタイルを築けるようになります。企業においては、従業員は生き生きと働けるようになり、それが生産性の向上や高パフォーマンスにもつながりやすくなります。

ウェルネスの概念は個人個人の取り組みとしてだけではなく、現代では社会や組織においても福祉や従業員への福利厚生の一環として取り入れられつつあります。そうした社会や組織のウェルネスに対する取り組みをサポートする、ウェルネスビジネスも注目されています。

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ウェルネスへ取り組むことのメリット

企業がウェルネスへの取り組むことにはメリットがあります。たとえば、ストレスチェックの実施や残業時間の管理と是正などを行うことで、従業員の健康面のリスクを減らし、病気や体調不良を未然に防げます。

ウェルネス経営に積極的に取り組んで福利厚生の充実した企業であるとの評価が広まれば、企業のブランドイメージ向上にも貢献します。

そうした取り組みを経て従業員の労働意欲とパフォーマンスが上がれば、生産性の向上も期待できます。

ウェルネスとサプリメント

ウェルネス促進のためには、日々摂取するサプリメントの活用も有効です。

サプリメントとは

サプリメントは、一般的には錠剤やカプセル、ドリンクなどに特定の栄養素を濃縮した健康食品です。サプリメントが含有している成分は、ビタミンやミネラルなどの人間の健康に欠かせない栄養素であり、薬ではありません。毎日の生活で不足しがちな栄養素を補うことや健康維持と増進を目的として、サプリメントが利用されています。日本では、形状については細かい定義づけはありませんが、錠剤やカプセル、ドリンクなどが一般的です。

サプリメントの種類

サプリメントにはその目的や役割により、3つに分類されます。

「ベースサプリメント」は、日々体に必要な栄養素であるビタミンやミネラル、アミノ酸、乳酸菌、食物繊維などの栄養素を補います。

「ヘルスサプリメント」は、ローヤルゼリーやプロポリス、イソフラボン、セサミン、カテキンなどがあり、健康維持や美容目的で利用されます。

「オプショナルサプリメント」は、ウコンやマカ、グルコサミン、ブルーベリーといったハーブや薬草は、体調回復に利用されます。

サプリメントのメリット

いつでも手軽に利用できるのがサプリメント摂取のメリットです。

何かと時間に追われた生活を送っている現代人は、栄養バランスの取れた食事を三食規則正しく取るのが難しいという事情があります。サプリメントは、不足しがちな栄養素をいつでも手軽に摂取したい、という従業員のニーズを満たせます。サプリメントの種類を選んで利用できるようになっていれば、余計なカロリーを摂取せずに必要な栄養補給ができ、カロリーを気にする人へも対応できるでしょう。医薬品のように摂取のタイミングが決まっているという制約もないため、手軽に健康管理ができる点もメリットです。

また、健康維持・増進や病気予防としての利用もできるのが、サプリメント摂取のメリットでもあります。普段の食事だけでは不足する恐れのある栄養素を補ったり、栄養バランスの偏りを改善するのがなかなか困難な時の補助食品として摂取したり、医師から摂取が推奨されている場合などにも利用されます。できるだけ医療に頼らず病気を予防したいと考えている人にサプリメントを利用してもらえることが期待できます。

サプリメントを選択する際のポイント

そんな便利でメリットのあるサプリメントですが、選択する際は次のような点に注意する必要があります。

成分名・含有量・問い合わせ先の表示内容を確認する

従業員がサプリメントを選択する際は、商品の原材料表示を正しく見極めるように促すことが大事です。原材料の一覧に「○○抽出物」や「△△エキス」といった表示が並べられていると、体に良い成分が多量に含まれていると錯覚しがちです。しかし、そのような表示だけでは、それぞれの原材料に具体的にどんな物質が用いられているか(どの様な製法で抽出されたのか)が不明瞭です。実際の含有量もどの程度なのかがわかりません。

このような成分や含有量が曖昧な商品は、有効性も安全性も定かでない場合があることを注意喚起しましょう。

「海外製品」「個人輸入」に注意する

サプリメントは正式な認可が必要な食品ではないため、各企業から発売されたものや海外で作られたサプリメントなど、様々なものがあります。その反面、表示が曖昧であったり適正な表示でなかったりして、全くデタラメな商品も中にはあることを理解してもらう必要があります。

最も注意しなければならないのが、商品の効果を高めるために故意に薬の成分を添加したものです。そのような商品の中には過去に重大な健康被害が発生したものもあり、死亡した例もあります。

このような商品を外観で判断するのは難しいですが、過去の事例ではこうした健康被害のほとんどが「海外からの輸入品」や「錠剤・カプセル状の食品」でした。海外製品のなかには、日本では認められていない成分が含まれているものもあります。また、日本のものと比較して成分の効き目が強いという場合もあります。

企業ができる対策として、サプリメントを選ぶ際はインターネットでの個人間の売買は極力避けて、信頼できるメーカーの商品を選んだり、正規代理店を通して手に入れたりするように呼びかけ、安易に海外製品を購入することのないように注意喚起することです。

なお、海外の商品はインターネットを介した購入だけでなく、海外旅行のおみやげなどで個人が持ち帰ったものも該当します。これらの商品を人から譲り受けたり、逆に軽い気持ちで人に譲ったりすることがないよう気をつけてもらう必要もあるでしょう。

サプリメントを利用する際のポイント

従業員が実際にサプリメントを摂取する際は、次のような点に気をつけてもらうように促しましょう。

一度に複数の製品を摂取しない

栄養素が凝縮されたサプリメントは、体に良い成分が含まれているからとつい多量に摂取しがちです。しかし、体の機能を改善するこれらの栄養素も過剰に摂取すると副作用が出たり、体調不良を起こしたりするかもしれません。

また、サプリメントなどの健康食品は認可が必要な薬と違って、含有成分の作用や成分同士の相互作用がまだ未解明のものが多くあります。

複数のサプリメントを同時摂取することで多種の成分が体に入ると、体内で未知の相互作用が発生し思わぬ健康被害が発生するリスクがあります。もし、それが原因で事故が発生しても原因究明が難しいというリスクもあります。このような事態を防ぐため、従業員にサプリメントの多重使用を避けてもらうよう、必ず用法と用量を守ることを徹底させましょう。

薬のような使い方をしない

サプリメントはあくまでも健康食品であり、薬ではありません。健康の維持・増進や病気予防をするのが目的であり、病気を治癒するなどの効果はありません。錠剤やカプセル状の、一見薬に見えるものについても、正式に認可された医薬品とは別であることに留意してください。

医薬品は、どの薬局で処方されても品質は均一です。しかし健康食品としてのサプリメントは、同じ成分であっても各メーカーによって品質が一定していません。また、医薬品は病気の人が対象であり、あくまでも医師や薬剤師の管理下で使用するものです。いっぽうでサプリメントは健康な人が対象であり、利用するかどうかは消費者が決定します。このような医薬品とサプリメントの違いを従業員によく理解してもらい、決して薬のように扱わないようにするのが重要です。

まとめ

従業員が毎日の栄養状態をバランスよく保てれば心身の健康も改善し、ウェルネスで充実した生活を送れるようになるでしょう。それが、労働意欲の向上やパフォーマンス改善にもつながります。

企業がサプリメントをウェルネスの一環として取り扱う場合、注意したいのはあくまでも健康な従業員が対象であるということです。サプリメントを薬のように扱うのではなく、さらなる健康維持・増進や病気予防の一環として捉えてもらうことが大事です。不足している栄養分を補う補助食品として、また、栄養の偏りを改善する食品としてサプリメントを上手に活用してもらうことが病気予防や健康増進につながります。生き生きと活動できるようになれば従業員の生産性やパフォーマンスによい影響を及ぼすでしょう。このように、経営者は企業のウェルネスへの取り組みとして、サプリメントを通して従業員の健康改善、ウェルネス実現を試みてはいかがでしょうか?

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