スポーツでウェルネスな生活を 健康増進への効果や方法とは?

近年、企業には従業員の健康維持・増進に配慮した職場づくりが求められています。本記事では、スポーツによって従業員の健康維持・増進を目指す取り組みを検討している企業に向けて、今注目されている「ウェルネス」の概念と、スポーツがもたらす健康増進効果、健康増進につながるスポーツの方法について解説します。

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そもそもウェルネスとは?

「ウェルネス(wellness)」とは、心身ともに健康的で、よりよく生きるための健康維持・増進に向けた生活態度全般を指す言葉です。これはアメリカのハルバート・ダン医師が1961年に提唱したことをはじまりに、一般に広く知られるようになりました。

ウェルネスと同じものとして「ヘルス(health)」を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、ヘルスが心身だけが健康であることに対し、ウェルネスはより広い意味合いでの健康を指します。
それはウェルネスが「身体」「精神」だけでなく、「感情」「知性」「職業」「社会的」「環境」といった、多岐にわたる7つの指標で構成されていることからもわかるはずです。

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ウェルネスな生活はスポーツで実現

ウェルネスな生活を目指すうえで、スポーツの実施は不可欠です。なぜならば、スポーツを行うことで、精神疾患への効果や生活充実の向上がみられるからです。

たとえば、有酸素運動を行うことで多幸福感をもたらすといわれている「エンドルフィン」「内因性カンナビノイド」「セロトニン」といった「幸せホルモン」と呼ばれるものが分泌されます。また、スポーツをすることでストレス解消作用をはじめ、抗うつ作用、抗不安・鎮静作用効果がみられるともいわれています。

さらに生活充実向上においては、スポーツ庁が令和2年度に実施した「スポーツの実施状況等に関する世論調査」によると、運動頻度が高いほど「充実感を感じている」という割合が高い傾向にあることがわかっています。

(参照元:スポーツ庁「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(令和2年11~12月調査))

そしてスポーツ基本法においても、

スポーツは、心身の健康の保持増進にも重要な役割を果たすものであり、健康で活力に満ちた長寿社会の実現に不可欠である。

(引用元:スポーツ基本法(平成23年法律第78号)(条文)

と規定されており、国の政策としてもスポーツを通じて健康増進と健康長寿社会の実現を目指しています。

スポーツによる4つの健康増進効果

ではスポーツによってどのような健康増進効果が得られるのでしょうか。
スポーツによる健康増進効果は、主に「自己免疫力の向上」「精神的ストレスの解消」「体力・筋力の維持向上」「高齢者の介護予防・子供の成長促進」の4つが挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1. 自己免疫力の向上

「自己免疫力」とは、体内に侵入してくる細菌やウイルスから身体を守る自己防衛システムのことです。この機能が低下すると感染病にかかりやすくなったり、病気の症状が治りにくくなったりします。

そしてこの自己免疫力の向上に有効なのがスポーツなのです。私たちは通常、汗をじんわりかく程度の運動を適度に行うことで免疫力を高めることができます。

しかしここ数年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、スポーツジムやトレーニングスタジオなどが営業を自粛、または在宅勤務などのテレワークによって、運動不足が大きな社会問題になっています。

そのため、運動不足に危機感を抱いている方は、必要以上に激しい運動をして今までの運動不足を取り戻そうと思うかもしれませんが、過度な運動や激しい運動はかえって免疫機能を低下させてしまいます。
実は高い免疫力を維持するためには、日常的かつ長期的に適度な運動を行うことが大切なのです。

2. 精神的ストレスの解消

精神的なストレスを抱えてしまうと、些細なことでイライラしたり、集中できなくなったりとさまざまな弊害をもたらします。このような精神的ストレスの解消にも、スポーツが有効といわれています。

スポーツで適度に身体を動かすと「セロトニン」「エンドルフィン」といった物質が脳に分泌され、精神を安定させる効果が期待できます。また、運動することで交感神経が優位になる時間が長くなり、ポジティブな考えになり、ストレスに強い身体づくりにも役立ちます。

さらにスポーツによって適度に身体が疲れることで、質の良い睡眠が得られ、ストレス解消だけでなく、疲労回復の効果も期待できるのです。

3. 体力・筋力の維持向上

体力や筋力が低下すると、ちょっとしたことで息切れしたり、重いものを持ち上げられなかったりと、さまざまなシーンで支障をきたすおそれがあります。また、体力が落ちると疲れやすくなり、仕事にも影響を及ぼす可能性があります。

このような事態にならないためにも、定期的に身体を動かすことで体力・筋力の維持・向上を目指すことが大切です。体力・筋力ともに維持・向上できれば、より長時間動くことができ、日常生活もより快適に過ごせます。

さらに身体を動かすことで体脂肪の蓄積を防いで健康的な体形維持ができるほか、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の予防・改善にも効果が期待できます。

4. 高齢者の介護予防・子供の成長促進

高齢になると体力・筋力が衰え、バランス感覚が保てずにふらついたり、転倒したりなど、ケガのリスクが高まります。しかし、身体を動かす習慣を日常生活に取り入れることで、体力・筋力を維持でき、ケガのリスクを減らせます。特に高齢者の場合、スポーツクラブやスポーツグループへ参加して運動することで、認知症や要介護状態の防止予防が期待できます。

また、スポーツは子供の成長促進にも有効です。運動能力、身体的成長はもちろんのこと、努力することの大切さや目標へ向かって突き進むことの尊さを学ぶことができ、精神的な成長も促せます。

健康増進につながるスポーツの方法

健康増進につながるからといって運動経験の少ない方が、いきなりハードなスポーツを取り組むのはおすすめできません。運動に慣れていないとケガをするリスクが高く、また前述したように過度な運動はストレスになるため、自己免疫力にとってもよくありません。
そこでここからは安全に健康増進が期待できるスポーツの方法を紹介します。

一日10分の運動をプラスする

スポーツ庁でも取り上げられた調査結果によると、一日の歩く量が1,000歩増えるごとに予防できる病気が増えるといわれています。そして厚生労働省の調査では「1,000歩=約10分」のため、まずは一日の運動量を今より10分間増やすことを意識してみましょう。

たとえば、買い物に自転車を利用しているのなら徒歩で行く、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使う、ラジオ体操をするなど、日常の中で続けられそうな運動を増やすのがおすすめです。

また、時間的に余裕があるのなら、早朝や夕方に散歩や軽いジョギングを取り入れるのもいいでしょう。特に早朝であれば、日光を浴びることで、生活リズムが整うメリットもあります。

中強度の運動を意識する

運動をする際は「運動の強度」も意識しましょう。有酸素運動であれば、中強度程度の負荷をかけるようにします。目安は息切れせずに、会話ができる程度です。対して息切れするぐらいの強度で運動すると、心身にストレスがかかり、免疫システムにも影響を与えるため注意しましょう。

運動時間については、WHOの「身体活動・座位行動ガイドライン(日本語版)」によると、成人(18~64歳)であれば、健康効果を得るためには一週間を通して中強度の有酸素運動を150~300分行うことが推奨されています。

(参照元:「WHO身体活動・座位行動ガイドライン (日本語版)」)

まとめ

ウェルネスな生活を実現するには、日々の生活にスポーツを取り入れることが不可欠であり、スポーツをすることで自己免疫力の向上や精神的ストレスの解消、体力・筋力の維持向上などが期待できます。

そのため、スポーツによる従業員の健康維持・増進を目指す取り組みを検討している企業であれば、まずは従業員の運動量を一日10分程度増やす工夫をしてみてはいかがでしょうか。

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