ウェルネス重視な薬局とは? 健康サポート薬局についても解説

多くの人が心身の健康について関心を持ち、誰もが健康な状態で生き続けたいと考えるようになりました。元気でより良い人生を送っていくというウェルネスの考え方のもと、これからの薬局に求められる役割や機能とは、どのようなものなのでしょうか。本記事では、健康サポート薬局とはなにか、ウェルネスとどう関係しているのかについて、解説していきます。

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ウェルネス重視な薬局とは

薬局といえば、既に病気になってしまった状態から、治療をするために利用するところといった認識を持っている人が多いでしょう。ウェルネス重視な薬局とは、その範囲にとどまらず、健康維持・増進・疾病の予防までさまざまな対応を行う薬局のことを指します。

そもそもウェルネスとは?

ウェルネスとは、よりよく生きるための健康維持や、自発的に健康促進しようとする生活態度全般、またその考え方を指す言葉です。1961年に、アメリカのハルバート・ダン博士が「輝くように生き生きしている状態」と定義したのがはじまりです。

ウェルネス(wellness)とヘルス(health)はどちらも「健康」を指す言葉ですが、ヘルスが病気でない状態=健康という意味であるのに対し、ウェルネスとは、心身の健康を保つためには人々がどうあるべきか、健康のための手段を総合的に考えていくこと、実現していくこと、そのプロセスこそが重要であるとしています。

豊かに輝くような人生を実現するためには、身体的な健康だけでなく感情や職業、社会的地位、生活環境などを考慮する必要があります。ヘルスより広い視野で健康をとらえるウェルネスの指標は多岐に渡るため、ライフスタイルにも通じるでしょう。ウェルネスの概念はさまざまな産業と業界で取り入れられています。

ウェルネス重視な薬局では健康相談を担うことが多い

ウェルネス重視な薬局では、患者の健康維持や未病と呼ばれる「発病に至らないまでも健康な状態から離れつつあるような状態」への対応が望まれます。生活習慣の改善指導や病気予防につながる窓口相談、カウンセリング機能なども必要です。医薬品の管理と提供という従来の薬局としての役割だけでなく、服薬指導を含めた対人対応が求められます。

健康に関する不安や関心は、高齢化が進むにつれて高まっていくでしょう。健康相談によって予防・未病のための運動に関する知識や、休日や夜間でも調剤薬局としての機能の提供、在宅医療に対するフォローアップなど、トータルヘルスケアを実現できる健康サポート薬局であることは、今後ますます求められます。

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ウェルネスを実現する「健康サポート薬局」とは?

健康サポート薬局とは、さまざまな役割を持つウェルネス重視な薬局といえます。厚生労働大臣が定める一定の基準を満たしている薬局として、かかりつけ薬局の機能だけでなく、健康食品や介護、食事、栄養指導など、幅広く相談できる薬局のことです。疾病の有無にかかわらず、誰でも気軽に相談可能で、健康管理のサポートを受けることができます。

健康サポート薬局の役割

薬に関する相談だけでなく、健康に対する全般的なサポートを行います。2016年に「薬機法」が改正され、法令上位置づけられることになったもので「患者が継続して利用するために必要な機能及び個人の主体的な健康の保持増進への取り組みを積極的に支援する機能を有す薬局」(衣料品医療機器法施行規則より)と定義されています。基準を満たした薬局が手続きを行った後に、健康サポート薬局として認められます。

さらに「かかりつけ薬局・薬剤師」の基本機能、つまり服薬情報の把握と薬学的管理・指導と、それ以外の健康相談機能、両方の機能を持つ薬局です。医療機関付近にある門前薬局だけでなく、地域に根差し、いつでも気軽に健康相談ができる薬局としての役割が求められています。

健康サポート薬局が提供すること

健康相談に応じるために必要な専門知識を習得した薬剤師が相談に乗ってくれます。相談内容によっては、医療機関での受診を提案したり、他の機関を紹介してくれたりすることもあります。心身の体調に不安があるときの最初の窓口として、安心して利用できるでしょう。

要指導医薬品や介護用品など、専門知識を踏まえた商品選びのサポートは、とくに在宅医療や在宅介護をスタートする際に心強い存在です。要指導医薬品とは、医師の処方箋がないと購入できない医薬品が、処方箋なしで買えるようになってから3年以内の医薬品のことを指します。要指導医薬品を購入するには薬剤師による対面販売が必要です。また、誰でも参加可能な健康相談に関するイベントを定期的に開催しているなど、さまざまな活動も行っています。

さらに、週末や夜間でも利用することができる薬局も増えています。営業時間が長い薬局や土日も営業している薬局は、平日は仕事があるため「病院に行かなければ」と思いながらも相談できない人が、休日や夜間に相談できるといったメリットがあります。

健康サポート薬局になるための要件

ここまで「基準を満たす薬局」と記載してきましたが、健康サポート薬局と認められるにはどういった基準を満たさなければならないのでしょうか。認定のための要件を挙げ、補足していきます。

  1. かかりつけ薬局としての基本的機能
    お薬手帳による服薬情報の一元的な把握、そのための指導。薬学的管理・指導など。
  2. 地域における連携体制の構築
    医療機関への受診勧奨やその他関係機関への紹介を行い、そのための知識を有していること。
  3. 常駐する薬剤師の資質確保
    一般的な医薬品や健康食品等の適切な使用について、助言や相談、適切な専門機関への紹介等が実施できることが重要であり、一定の研修を受けた薬剤師が常駐することが必要。
  4. 相談スペースなどの設備確保
    利用者が相談しやすい環境を作るため、パーティションで区切るなど場所を作り、相談内容が他者に聞こえないようにするなどの設備の確保が必要。
  5. 健康サポート薬局であることの表示
    安心して患者が相談できるように、薬局が健康サポート機能を有していることを、薬局外でも表示し、また周知することが必要。
  6. 要指導医薬品、一般用医薬品及び介護用品等の取扱い
    必要に応じて、介護用品や要指導医薬品も含めた医薬品を供給し、利用者が適切に選ぶことができるよう取り扱う必要がある。
  7. 開店時間
    平日の夜間や休日にも一定時間営業するなど、幅広い層の利用者が立ち寄ることができるように努める必要がある。
  8. 健康相談・サポートの取組体制
    過去の健康相談の内容を記録、保存して継続して相談に応じることができるようにしたり、自発的に健康相談会を開催したりするなど取り組みを実現できる体制を整える必要がある。

以上のように、幅広い機能を保持できる薬局が、健康サポート薬局として位置づけられることになるのです。

ウェルネス重視な薬局を目指すメリット

ウェルネス重視な薬局は、健康サポート薬局の定義と重なるところがあるため、健康サポート薬局を目指すことはウェルネスにとって有用であるといえるでしょう。そしてこのような取り組みは、患者をはじめとした地域の利用者だけでなく、薬局側にとっても多くのメリットがあります。

今後「健康サポート薬局」の認知度が上がれば、表記による安心感や信頼度が向上します。また健康相談イベントを開催することで、薬局への関心や認知度も上昇するでしょう。さらに健康相談を通じて、健康食品やOTC医薬品の販売数の増加も見込むことが可能です。ウェルネスを重視した薬局にすることで、国が求める薬局のあるべき姿を実現できます。

高齢化が加速するこれからの日本において、健康に人生を楽しみながら長生きしていきたいという人々をサポートすることで、ウェルネスの概念を実現でき、かつ薬局の本来の姿として、健康サポート薬局が求められているのです。

まとめ

多くの人が関心を持ち、巷に健康に関する情報が溢れる中、専門的な知識を有しさまざまな相談に応じてくれる、ウェルネスを重視した薬局はこれからの時代に重要な存在となるでしょう。もっと深くウェルネスについて知りたい、最新の情報を得たいといった場合は、「ウェルネスの空」情報ポータルを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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