薬局で広告を出すには? 方法やメリット、規制やガイドラインも解説!

薬局では、その利点を活かし訴求力の高い広告作成が可能です。この記事では、薬局での効果的な広告方法や広告作成上のポイント、広告のメリットを解説します。また、薬局広告が守る義務のある薬機法の規制や、医療広告ガイドラインの要点も紹介します。 

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薬局で広告を出すには?

薬局で広告を出すには、注意点が多くあります。以下に説明するポイントを意識することで、スムーズかつ訴求力の高い広告を作成・掲載できます。

ターゲットを選定する

まず、広告のターゲットを決めましょう。広告では、ターゲットとなる顧客に合った情報を提供することが重要です。この際、ペルソナを細かく設定すると、ターゲットのニーズに合った広告が作りやすくなります。

ターゲットに訴求力のある広告が作れると、見込み客の獲得にもつながります。また、購入しやすい層に向けて広告を作れるため、コストパフォーマンスがよくなる点もメリットです。

薬局ならではのターゲットとは

薬局で広告を出すには、ターゲットとなる顧客の分析も欠かせません。薬局の顧客は、健康や美容に関心が高い傾向にあります。

また、地域の特色も考えましょう。たとえば、住民の属性で考えると、以下のように分類できます。

・ファミリー層
・高齢者
・学生
・社会人

属性がわかると、その属性の顧客が多く来店する時間帯など、広告を効果的に出せるタイミングも可視化されます。

広告の種類を決定する

広告にはさまざまな種類があり、なかでも薬局広告に効果的なものは、主に以下の6種類です。

〇フリーペーパー
無料で配布する紙の広告です。店頭に置き顧客に取ってもらうか、店員が配布します。顧客が広告を持ち帰るため広告の効果が高く、薬局や薬・商品の認知度向上も可能です。

〇ポスター・のぼり
店内外にお得情報などを掲載したポスター・のぼりを掲示する方法です。調剤薬局では待ち時間があるため、ポスターは顧客の目に入りやすく、一定の効果が期待できます。のぼりは目を引きやすいため、キャンペーン時などに設置するのが効果的です。顧客のみならず、薬局の前を通りがかった人の興味も引けるので、広告の効果は高くなります。

〇デジタルサイネージ
ディスプレイなど電子機器を用いて、映像で情報を表示する方法です。音声付きの動画により、顧客の興味・関心を引けます。コンテンツを簡単に変更でき、各店舗に一斉配信もできる点が特徴です。時間帯などで顧客層に合った内容の広告を出せることから、デジタルサイネージは、期間限定セール時などの広告にも向いています。

POP広告
顧客が商品を選び、購入する場に出す広告です。値札の横にイラストや手書き文字のPOPを出すといった形で、商品などを目立たせることができます。また、薬局の雰囲気づくりにつながるほか、手作りすればコストも大きくはかからないのがメリットです。

〇サンプリング
商品の試供品を顧客に配り使ってもらう方法です。会計時や薬を渡すときに試供品をセットで渡せるため、確実に顧客の手にわたり、購買意欲を高めやすいのがメリットです。新商品や、キャンペーン商品などを広めたいときに向いています。

〇レジ袋封入
レジ袋にクーポンや試供品などを付けたチラシを封入する方法です。薬局内では見ようとしない顧客でも、レジ袋に入れておけば自宅でチラシを見る機会ができます。顧客に直接広告を渡せるので、訴求力が高い方法です。

薬局ならではの広告チャネルも活用

上記の広告はどれも有効ですが、とりわけ薬局でこそ効果的なのは、薬剤師が薬や商品と一緒に手渡しする広告方法です。たとえばレジ袋封入やサンプリングが該当します。薬剤師からもらうため信頼感があり訴求力が高いうえに、手渡しなので断られることが少ないのがメリットです。

また、調剤薬局では待ち時間がある点を活かし、待っている間に目に留まりやすい広告を活用するのも効果的です。動画は注意を引きやすいことから、デジタルサイネージが向いています。

広告内容を消費者に届ける媒体を選定する

広告の作成にあたっては、まず作成媒体を決め、運営会社・オーナーに問い合わせます。マス媒体・Web媒体の中から、薬や商品、ターゲットに合わせた媒体を選びましょう。媒体には、広告の種類・予算、サイズ・ターゲットなどを伝えます。複数の媒体に問い合わせ見積もりを出してもらい、費用や内容などを比較し、媒体を決定します。

広告に出稿するためのデザインを作成する

広告では、ターゲットが関心を持てる内容・キャッチコピーなどが必要です。ターゲットによくある悩みを盛り込むと訴求力が高くなります。写真、フォント、レイアウトなどデザイン面も重要です。これらは自社で作成してもよいですが、デザイン会社やフリーランスデザイナーに外部委託する方法もあります。予算やクオリティとの兼ね合いで判断しましょう。

実際に広告を出稿する

広告ができたら媒体から審査を受けるため、媒体のガイドラインを確認してから広告作成を行いましょう。内容によっては修正、再提出が必要です。審査に通ると掲載されますが、掲載先の基準によって出稿停止になる場合もあるため、注意しなければなりません。

 

薬局で広告を出すメリット

薬局で広告を出すと、ターゲットにピンポイントで訴求できる点がメリットです。薬局を訪れる客は健康意識が高くニーズも明確なため、そのニーズに合ったエリアに広告を設置すると効果的に訴求できます。たとえば、サプリコーナーにサプリの広告を置くと、サプリに関心の高い客からの購入が期待できます。また、薬局は地域密着型のため、先述のように地域の特性に合った広告が出せる点もメリットです。

 

薬局広告の運用ポイント

訴求力の高い薬局広告が完成したとしても、運用上のポイントが守られていないと修正しなければなりません。場合によっては指導・取り締まりや、罰則もあり得るため注意しましょう。

薬事法における広告規制に注意する

薬機法(旧薬事法)では、広告に関する規制があります。規制を守りつつ、正確な情報を伝えることが重要です。厚生労働省では「薬事法における医薬品等の広告の該当性」として、医薬品広告の要件3つを挙げています。

・ 顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
・ 特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
・ 一般人が認知できる状態であること

引用元:厚生労働省|薬事法における広告規制 ※P4ご参照

そのほかにも規制があり、薬機法に違反する広告は指導や取り締まりを受けるほか、2年以下の懲役、200万円以下の罰金、または懲役・罰金両方を科される可能性があります。

参照元:e-Gov|医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第85条

また、2021年(令和3年)の法改正により、虚偽・誇大広告は課徴金の対象になりました。課徴される金額は、以下の計算式で算出されます。

原則、違反を行っていた期間中における対象商品の売上額 × 4.5%

引用元:厚生労働省|課徴金制度の導入について ※P12ご参照
参照元:e-Gov|医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第75条の5の2

医療広告ガイドラインを遵守する

厚生労働省により、医療広告のガイドラインがあります。薬局の広告では、医療広告ガイドラインも守る必要があります。違反した場合は、行政指導、広告の中止・是正、罰則、行政処分などがあり得るため、注意が必要です。罰則は、以下のいずれかです。

・20万円以下の罰金
・6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金

参照元:厚生労働省|医療広告ガイドライン ※P33~34ご参照

 

サービスの紹介

薬局における広告効果を期待し、年々ニーズが高まっている現状、薬局での広告戦略を支援する企業も登場しています。

ベルシステム24が提供するサービスで、月間200万人の健康意識が高いシニア層を中心とした来局者に対して、デジタルサイネージでのCM配信やチラシ配布・サンプリング等の調剤薬局だからできるプロモーションメニュー、シニアードがあります。

調剤薬局の来局者は約55%が60歳以上となるため、主にシニアを対象とした商品・サービスの認知拡大などシニアマーケティング・市場調査を実施したい企業にとっては、最適な広告メディアの一つとなります。

 

まとめ

薬局広告は、薬局に来る顧客をターゲットとしているため、ピンポイントで訴求しやすい性質があります。ターゲットや地域の特性をよく理解し、より効果的な広告を作成することが重要です。

また、調剤薬局や薬局の特性に合った広告の種類を選定することも意識すべき点です。待ち時間に広告をが目に付くようデジタルサイネージを導入したり、薬剤師自らチラシや試供品などを顧客に手渡ししたりする方法が適しています。

なお、薬局広告の作成では、薬機法の規制や医療広告ガイドラインを守らなければなりません。十分な注意のもと広告作成をする必要があります。

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